首都圏郊外の複合型福祉園の建替え計画。
デザインの良い施設とすることが、利用者の福祉と人手不足の福祉施設での人材採用や長期雇用に繋がり、地域への障害者施設への親しみを増やすという信念のもと、園は利用者や職員が長い時間を過ごす「住む場」であるのだから、気持ちの良い住宅のような場になって欲しい、という相談を頂いた。
建替計画/管理棟・住居棟・児童棟の配置計画/各棟の設計を行う中で、シンプルかつ経済的な木ラーメン構造による木の立方体を基本として、そこから光や風を通すヴォイドを彫り出すことで、大きなボリュームを住宅スケールに近づけ、広い敷地に降り注ぐ光と吹き抜ける風、佇む大きな樹々を取り込む事を考えた。
襞のように風と光を取り込むファサードがスクリーンとなり、守られながらも地域との交流を生む境界となる。同時に障害者の働くカフェ+ギャラリーはセキュリティーを確保しながら地域に開く配置とすることで、利用者の作品の発表や販売、関係者の憩いやコミュニケーションの場となるよう計画した。
児童発達支援事業を行う児童棟は、不安を抱えて訪れる利用者を暖かく導く丸みを帯びた形で、中に入るとまあるく柔らかい光が迎え気持ちを和らげ、求心性を持った落ち着く空間が木の洞のように訪ねる人を優しく受け止める。
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