地域と関わりながら長期的な不動産投資を展開するクライアントが購入した築浅の中古共同住宅は、ファサードの汚れ対策が不十分であること、表層的に加えられた南欧的な記号が現代との繋がりを見失って、少し疲れ途方に暮れたように佇んでいた。
変えられないファクターを前提に必要な要素を精査し、色や素材を絞り、長期的投資を反映した維持管理に適うリニューアルを提案した。残る大きな要素であり視覚的にファサードと同調しづらい庇は角を丸めて通りへの圧迫感を減らし、その他の要素は左官の壁にカモフラージュさせた。
小さな外構スペースには五倍緑ユニットに「まちとみどりの実験室」で育てた在来種を植え込み配置する予定で、不動産投資の今後の展開に合わせて在来種の緑が地域に散りばめられ点から線、面へと繋がっていく事を妄想している。
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